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圧倒的な存在感を演出する金箔の表現

2020年5月8日

今回は、立体的な金文字を友禅印刷で表現した酒ラベルの事例をご紹介します。

これは、きものの加工に用いられる金彩手法を応用したものです。

こちらがその酒ラベルを付けた宝酒造の清酒、松竹梅「白壁蔵」<純米大吟醸>宝冕王(ほうめんおう)です。

 注目箇所はボトルのラベル「宝冕王」の金箔を貼った文字、ぷっくり膨らんで立体的に輝いているところです。  

原理としては、まず熱を与えると膨らむ原料と粘着成分を含むインキを使用して文字を印刷します。乾燥後、金箔フイルムを乗せて熱圧縮をかけると文字部分が膨らみ、さらに箔が転写されるという仕組みです。  

工程チャート図_page-0001

原理はシンプルですが、品質のコントロールは非常に難しい。  

文字は上に膨らむと同時に横にも太ります。上に高く、横には細く膨らませることで、シャープでぷっくりとした文字が完成するのですが、最後の熱圧縮をかけるまでは品質が確認できません。  

そのため、お客様のご要望どおりの文字のかたちを表現するため、インキを塗布するスキージの角度や圧力、印刷スピードなどの印刷条件のテストを繰り返して、最適な設定を確定します。  

さらに、印刷回数を重ねていくうちに文字の仕上がりも変わっていくため、何回まで品質が保持できるかといった見極めを行い、品質安定も図らなければなりません。  

アナログ的な感性で、変動を抑制する職人技。  

ゆえに出来上がったラベルでは、温かみのある職人技が生きた、圧倒的な存在感を持つ表現が実現するのです。

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