ペルソナ分析とは?設定する意味とビジネスでの活用方法をご紹介します
2023年11月10日
サービス・商品の典型的なユーザー像として設定した「架空の人物」のことを「ペルソナ」と言います。
この「ペルソナ」の理解を深めることはマーケティングにおいて重要な意味を持ちます。
ペルソナ分析を設定するメリット
ペルソナを設定するメリットは、担当間でターゲットの認識を共通化し、一貫性のある販促を行えるということです。
商品開発や販促方法に具体的な施策が生まれ、効果的なアイデアに的を絞って訴求方法を見つけられるので、時間やコストの削減に繋がります。
ターゲットとペルソナの違いを具体的に解説
似た用語にターゲットというものがありますが、ターゲットとペルソナは似ているようで全然違うものです。
商品のユーザー像を考えるという点では同じなのですが、その人物像をどれだけ深く作りこむかの度合いが大きく異なります。
例えばターゲットの設定は、
- 40代前半
- 男性
- 既婚者
- 子供有
…など、当てはまる人が多数いそうな大まかな設定になります。
対してペルソナの設定は、
- 大平太郎
- 41歳
- 男性
- 妻(40歳)、小学2年生女子と3人暮らし
- 京都府京都市西京区在住(一軒家)
- 大学卒業後IT企業に就職、32歳で結婚
- 役職:課長
- 年収600万円
- 趣味はアウトドア、料理
…など、名前や居住地、趣味など、あたかも実際にいる人物のように細かく設定します。
その人のおかれた境遇を詳細に作りこみ、心境や行動パターンをイメージすることで、 その人に響く商品や販売方法を具体的に模索します。
例えば物語に出てくるキャラクターは架空の人物ですが、詳細に設定が作りこまれています。
有名な漫画の主人公を一人思い浮かべてください。
そのキャラクターに何か商品を一つ勧めるとしたら、あなたはどんなものを勧めますか?
好きそうなもの、選びそうなデザインなどが、思い浮かびませんか?
またどのような方法で商品を売り込めば効果的か…なども想像できたのではないでしょうか。
ストーリーにそのようなシーンがないものの、何故そのようにイメージできるかというと、 キャラクターの性格や思考が詳細に作りこまれているからです。
「この人はこういう時こうするのではないか」というイメージがつきやすくなるのです。
商品を購入する人がどのような考えで、どんな行動をとるのか予測するために「ペルソナ」は具体的に設定します。
本来、「仮面」という意味を持ち、「周囲に見せる自分の姿を、環境や相手によって使い分ける」という心理学用語として用いられる「ペルソナ」。
マーケティングにおける「ペルソナ」は「架空の人物」のことで、意味が少し異なりますが、心理的な要因も含めて行動パターンを予測する面においては準ずるものがありそうです。
両方覚えておくといいですね。
ペルソナを明確にするため集めるデータの種類と手順
具体的なペルソナを設定するにも、闇雲に決めてしまってはマーケティングに役立てることはできません。思い込みや先入観で決めず、「客観的」に設定することが重要です。
まず、データの種類と活用の仕方をご紹介します。
- デモグラフィック(人口統計学的属性)
- サイコグラフィック(心理学的属性)
- ジオグラフィック(地理学的属性)
- ビヘイビアル(行動学的属性)
■デモグラフィック
人口統計学における研究対象のデータが基盤となります。
年齢、性別、職業、家族構成など客観的な統計データを指します。
例
・24歳
・女性
・独身、一人暮らし
・年収約200万円
大まかなジャンルであり、当てはまる対象の範囲が広いことがわかりますね。
この時点では「ターゲット」と呼べます。
■サイコグラフィック
デモグラフィックのように統計的なデータではなく、心理的な要因で、価値観や趣向など曖昧なデータとなります。
例
・大人っぽいブランドが気になる
・貯金したいのであまり高いものは買えない
・背が低いのがコンプレックス
客観視できるデモグラフィックに比べて主観が強めのデータになります。 心理的な要因は、統計的なデータよりも直接行動に影響するため、重要なデータとなります。
■ジオグラフィック
顧客を地理属性で分類したデータで、住所や職場の場所、活動域を指します。
例
・京都市左京区在住
・職場は四条烏丸付近
行動しやすい場所、訪れやすい場所を予測できます。
飲食店や実店舗など、実際来てもらうことが目的のマーケティングにはとても重要なデータですね。
■ビヘイビアル
顧客の過去の行動などを元に、商品やサービスの傾向を数値化したデータです。
実際に取った行動をもとにデータを作成するため、他の手法よりも効果的なデータがとれる可能性が高いとされています。
デモグラフィックとサイコグラフィックだけでも、具体的なペルソナを作ることができます。
商品を勧める切り口が見えやすくなりますね。
例えばこの女性に洋服を勧めるとしたら、どんなものを想定し、売り込む切り口を考えますか?具体案が浮かんだのではないでしょうか?
更にジオグラフィック、ビヘイビアルのデータを合わせれば、より詳細なペルソナを設定することができます。
では、このような情報収集のために何を行うといいのでしょうか?
わかりやすいものはお客様アンケートやインタビュー、口コミなどを実施すること。
直接お客様とのコミュニケーションがとれるツールを設置しましょう。
具体性のあるデータを集めることができます。
近年ではSNSを使用した簡単なアンケートもよく見られるようになりました。
また、測定ツールを使用して、顧客の購入履歴や遷移したページの情報を水面下で収集してデータを蓄積したり、SEO解析ツールなどで、全体的な市場のニーズを調べることもできます。
そして、BtoCとBtoBでは、ペルソナ設定の項目が変わってきます。
BtoC企業は、ユーザーの私生活の悩みや価値観など、個人の主観がメインのデータを集めることが効果的ですが、BtoB企業では職種や役職、会社の今後の課題など、ビジネスにおけるデータをメインに取得する必要があります。
展示会やイベント、セミナーなどで積極的にアンケートをとるようにするなど工夫するといいですね。
「一度作ったらそのまま」はNG。定期的にブラッシュアップしましょう
一度ペルソナを設定したところで作ったまま放置するのでは、せっかく集めたデータを活かしきることはできません。
リアルな声を聞いて設定したペルソナだからこそ、常に分析、調査を行い、ブラッシュアップしていきましょう。
簡単な事ではありませんが、ユーザーのライフスタイルやビジネスの方針は日々変化していきます。
動向に目を向け精度の高いペルソナマーケティングを目指しましょう。