MENU

※合併及び商号変更前の内容を含んでおります。

はじめてのVRコンテンツ導入 事例で学ぶ活用方法と制作のポイント

2023年8月22日

VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略で、「仮想現実」とも呼ばれます。360度の映像や音響によって、仮想の世界の出来事が、まるでその場に起こっているかのような臨場感を体験できる技術です。この技術を活用した映像や体験型コンテンツのことを「VRコンテンツ」と呼びます。
VRゴーグルやヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使って視覚・聴覚に訴えるものが代表的ですが、最近ではスマホやPCでも楽しめるVRコンテンツも増えてきました。ゲームを思い浮かべる方も多いかと思いますが、近年は観光・教育・ビジネスなど、さまざまな分野で活用が広がっています。

VRコンテンツの種類

VRコンテンツには、大きく分けて2種類あります。

  • 実写コンテンツ
    360度カメラで現実の風景や建物などを撮影し、編集によってVR化したものです。VRゴーグルがなくても楽しめ、実際にその場を訪れたかのような臨場感を味わえます。観光地のバーチャル体験や不動産の内見などに活用されています。

  • CGコンテンツ
    CG技術を使って、現実には存在しない空間や映像を作り出すVRコンテンツです。自分の分身であるアバターを使って交流するメタバース(仮想空間)やVRゲームなどが代表例で、ビジネスでは教育や医療、建築設計などにも応用されています。

 

VRコンテンツの作り方

  • 実写コンテンツの場合
    360度カメラで撮影した映像を、専用アプリに取り込みます。そして、編集ソフトを使って、映像のつなぎ目を自然にし、明るさ調整、不要な映り込みの除去などの作業を行います。

  • CGコンテンツの場合
    キャラクターや空間をデザインし、プログラミングによって動きを加えます。メタバースや3DCG空間の構築には専門的な技術が必要です。

 

制作費用の目安

VRコンテンツを制作する場合は工程ごとに大まかに、企画構成費、撮影費、編集費、音響・ナレーション費のような費用がかかり、また、CGのVRコンテンツの場合、CG製作費などもかかり、3DCGとなるとさらに高額になります。そのほかにも出張費などの諸経費がかかります。自社で構成や素材を準備することで、ある程度は費用を抑えることも可能です。専門会社によってはセットプランを提供している場合もあります。

VRコンテンツの活用事例

VRはエンタメだけでなく、ビジネスや教育の現場でも活用が進んでいます。
以下に、分野別の事例をご紹介します。

ゲーム

VR活用の先駆的な分野であり、VRコンテンツが豊富にあります。近年はVRゴーグルやHMDといった専用機器がなくても、スマホで気軽に楽しめるVRゲームも多数登場しているため、利用者は増加傾向にあります。

観光

実際に訪れたかのような体験ができるのが魅力で、旅行先の選定や地域PRにも活用されています。

  • 佐賀県嬉野市|「デジタルモール嬉野」
    嬉野市では、観光振興と交流人口の増加を目的に、VR観光コンテンツ「デジタルモール嬉野」を公開。嬉野温泉駅周辺を高精細に再現したメタバース空間では、アバターを使って駅前広場を探索したり、温泉施設などのバーチャル入浴体験を楽しめます。さらにマップに散らばるコインを集めて、カプセルトイやゲームに挑戦できるなど体験型コンテンツも充実。また、名産品の購入やオンラインイベントへの参加、ユーザー同士の交流も可能で、観光とECを融合した新しい地域体験を提供しています。
    「デジタルモール嬉野」公式サイト(体験ページ)
    https://virtual-ureshino-web.com/

 

教育・研修

学校の教育現場や企業の社員研修、医療現場でのトレーニングなどでVRコンテンツが活用されています。実際に体験しづらい事象や物理的に体験しづらい事故事例などの現象を体感できます。

  • 全日本空輸株式会社(ANA)|客室乗務員向け機内訓練
    客室乗務員の緊急時対応訓練にVRを導入。火災や急減圧などの再現困難な緊急事態における安全確認作業をVRで再現することで、反復実習を可能にし、業務手順の構築に役立てています。VRの活用により、緊急時の状況をリアルに体験でき、全員が同じ理解で対応できるようになっています。
    ANA客室乗務員向け機内訓練にNEC開発のVRを活用
    https://www.anahd.co.jp/group/pr/201903/20190320.html

 

展示会・工場見学

商品やサービスをより深く理解してもらうために、VRでの体験型展示が活用されています。

  • 東リ株式会社|VR施工空間
    床材や家庭用壁紙、カーペット、カーテンなどインテリアを手掛ける同社は、Webサイトに、VR施工空間や内装シミュレーションなど、デジタル技術を活かした体験型コンテンツを作成。オンライン上で製品の特徴を確認しながら、空間全体のコーディネートをイメージすることができます。
    「VR施工空間」東リ公式サイト
    https://www.toli.co.jp/photoreal/

  • カゴメ株式会社|カゴメトマトジュース バーチャル工場見学
    カゴメの契約農家で収穫したトマトやにんじんがジュースになるまでの製造工程を、スマホやパソコン、タブレットから360度全方位見られる工場見学のVRコンテンツです。動画内に「トマトは収穫後、何時間以内にしぼってジュースにしているでしょう?」といったクイズを交えており、興味を持ちやすい構成になっています。
    VR360°カゴメ工場見学MOVIE
    https://www.kagome.co.jp/ftl/factory/vr-factory/tomatojuice/

 

「体験の質」が重視される今、VRは“伝える”から“感じてもらう”手段へと進化しています。テクノロジーの進化により、VRはより身近で、より戦略的なツールとして注目されています。現在、VRは“導入するかどうか”ではなく、“どう活用するか”が問われる時代に入っています。

タカラサプライコミュニケーションズ VR
https://www.takara-sc.co.jp/xr_vr/