新技術開発への道のり
2017年3月30日
はじめまして。
技術開発部長の木内茂夫と申します。
私の所属する部署は、その名の通り、印刷技術や表現法など、新たな事業につながる技術の開発を命題にしています。
大平印刷がこれまでに生み出した技術を紹介する前に、私について少し語らせてください。
私が入社したのは31年前。まだ、Macintoshも出ていない時代でした。当時私はレイアウトスキャナーのオペレーターを担当していました。
その後、製版の視点から印刷から後加工に至るまでの品質管理を任せられ、さらにプリンティングディレクターとしてお客さまやデザイナーとの商談に同席し、画像再現に関するアドバイスなどをしてきました。
こうした業務を通じて感じていたのは、オフセット印刷での再現領域や対応基材の限界です。
当社は「写真の再現」を極め、高い技術力を誇っていると自負しています。
それでも、商談でお客さまが求めるイメージを聞くと、「印刷再現」という意味ではふがいなさを感じることもありました。
それはたとえば、色の「深み」や「輝き」に関してでした。
――なければ作ればいい。
オンリーワン技術を模索していく中で、注目したのが、友禅染の着物でした。幸い、大平印刷には西陣織をはじめ、きもの関連に精通している人が何人かいました。
そこで、友禅染で使われている技術を印刷に落とし込み、金銀の高輝度追求にこだわった「友禅印刷」を開発。ラベルプリンティングなどで好評を博しています。大平印刷ではこのような意匠面のみならず、機能を付加した新技術に取り組んでいます。
次回は、この「友禅印刷」についてさらに詳しく述べていきたいと思っています。