BtoB企業が挑むBtoC商品プロモーション成功の秘訣とは?
2025年10月9日
「自社の技術力を活かして、一般消費者向けの商品を開発したけれど、どうやってプロモーションすればいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は、実は少なくありません。
BtoBとBtoCでは、モノの売り方も、伝え方も大きく異なります。
これまでのやり方がそのまま通用しないことに、戸惑う企業も多いのです。
そこで今回は、BtoB企業がBtoC商品をプロモーションするときに押さえておきたいポイントを紹介します。
BtoBとBtoCの違いとは?
BtoB:会社同士の取引
・論理的に判断されることが多い
・信頼関係や継続的な取引が重視される
・商品購入に関して、複数の意思決定者がいる
BtoC:一般消費者向け
・感情や体験が購買に大きく影響する。
・瞬間的な魅力や体験が重視される
・商品購入に関して、意思決定者は一人で完結することが多い。
BtoCでは論理的な判断に限らず、「よさそう!」「使ってみたい!」といった直感的な感情を重視して、購入することが多く、消費者の感情に働きかける動きをすることが重要となります。
BtoB企業がBtoC商品をプロモーションする際のポイント
BtoCプロモーションは次の4つのポイントを意識して取組むことが重要です。
1.「感情に響く」伝え方を
BtoCでは「欲しい」「楽しそう」「便利そう」といった感情が購買を左右します。
・開発の裏話やこだわり
・使っているシーンのイメージ
・共感できるストーリー
機能紹介のほかに、商品にストーリー性を持たせるなど、消費者の感情に訴えることが大事です。
2.沢山のチャネルを使ってみる
BtoCでは、情報を届ける手段が多く存在します。
・SNS(Instagram、X、TikTokなど)
・動画広告(YouTube、ショート動画)
・インフルエンサーとのコラボ
・ECサイトや口コミサイト
それぞれのチャネルにあった見せ方を工夫すると、より多くの人に届きます。
3.「体験」も商品価値のひとつ
商品そのものだけじゃなくて、買ったとき・使ったときの体験も大事です。
・開封したときのワクワク感
・問い合わせの対応がスムーズ
・パッケージがかわいい・かっこいい
細かいところですが、ブランドの印象を非常に左右します。
4.スピード感をもって改善する
BtoCでは、キャンペーンや広告の反応が早く、PDCAサイクルを高速で回すことが。
週単位での改善や、リアルタイムでのデータ分析が求められます。
実際にプロモーションを行うには?
BtoCマーケティングを成功させるには、感情に訴える伝え方や多様なチャネルの活用に加え、実行のステップを明確にし、迅速に対応する姿勢が大事です。
BtoCマーケティングの主な手法と特徴
・マス広告
幅広い認知獲得に有効。費用は高いがインパクト大
・Web広告
費用対効果がわかりやすく、PDCAも回しやすい
・SNSマーケティング
拡散力が高く、若年層への訴求に強い。双方向のコミュニケーションが可能
・インフルエンサーマーケティング
信頼性の高い第三者からの推薦で購買意欲を刺激。
・コンテンツマーケティング
ブログや動画で価値ある情報を提供し、ファンを育成。
・キャンペーン・プロモーション
限定性やお得感で短期的な購買を促進。
・ECサイト運用
口コミ・レビュー活用。消費者の声が他の消費者の購買に大きく影響
・メール、LINE
リピーター育成や個別対応に有効。
企業プロモーションに学ぶ成功事例
ニフコの「結ばない靴紐」
「靴紐を結ぶのが面倒」「脱ぎ履きがスムーズな靴が欲しい」。そんな日常のちょっとした不満を解決してくれるのが、ニフコの『結ばない靴紐』SPLCシリーズです。自動車部品やバックルで知られるBtoB企業・ニフコが、一般消費者向けに展開したこの商品は、SNSやクラウドファンディングで大きな反響を呼びました。
プロモーションの成功ポイント
ニフコはこの商品を、クラウドファンディングサイトMakuakeで複数回プロジェクト化。中でも「SPLC2.5」は、目標を大きく上回る驚異的な支持を獲得しました。SNSでは、「靴紐を結ぶ手間から解放される!」「見た目もスマートで、毎日使いたくなる」といった声が多数投稿され、アウトドア・ランニング・通勤・通学など、幅広いシーンで活用されています。
SPLC(ニフコ公式サイト)
https://www.splc.jp/shoelace.html
Web漫画から飛び出した“キャラクター工具「スパにゃん」”
「工具って無骨で地味…」そんなイメージを覆す、かわいくて遊び心たっぷりの工具が登場!それが、京都機械工具(KTC)が手がけた『スパにゃん コンビネーションレンチ』。自動車整備用工具などを製造するBtoB企業のKTCが、一般消費者向けに展開したこのキャラクター工具は、SNSやWeb漫画を通じてファンの心をつかみ、商品化に至りました。
プロモーション成功のポイント
公式Web漫画『工具メーカーの日報』から誕生したキャラクター「スパにゃん」。SNSでは、ファンとの交流を通じて「商品化してほしい!」という声が可視化され、実際に商品化が実現しました。発売後は、「かわいすぎて使えない!」「推し工具として飾っておきたい!」といった投稿が拡散され、発売直後から注文が殺到。購入制限(1人1点)がかかるほどの人気ぶりとなりました。
【新発売】SNSで話題の“スパにゃん”がついに!
https://ktcos.jp/view/news/20250821160121
まとめ
BtoB企業がBtoC商品を売るには、消費者目線と柔軟な発想がカギとなります。
まずは小さな施策から始めて、反応を見ながらどんどん改善していくのが成功への近道です!
「ちょっと試してみようかな?」くらいの気持ちで始めてみるのがおすすめです。