学校案内パンフレット制作を始める前に考えること①|準備・スケジュール設計
2026年8月31日
学校案内パンフレットの制作を任されたものの、「何から始めればよいのか分からない」と悩んでいませんか。
前年版を更新するだけでよいのか。構成から見直すべきなのか。校内の誰に協力を依頼し、制作会社には何を伝えればよいのか。学校案内の制作では、デザインに入る前にも多くの判断が必要です。目的や進め方が曖昧なまま制作を始めると、情報を詰め込みすぎたり、校正時に意見が増えたりします。その結果、制作の遅れや手戻りにつながるケースもあります。
学校案内パンフレット制作の成否を左右するのは、見た目だけではありません。まずは目的を整理し、納品までの進め方を設計することが大切です。
①学校案内パンフレットの制作で最初に考えること
学校案内は、学校の情報をまとめるだけの冊子ではありません。受験生や保護者に学校の魅力を伝え、次の行動を後押しする募集広報ツールです。
制作を始める前に3つのことを整理しておきます。
・誰に読んでほしいのか
・何を目的とするのか
・一番伝えたい学校の魅力とは
◆誰に読んでほしいのか
例えば、主な読者が高校生とその保護者の場合、高校生は、授業や学生生活を具体的に想像できる情報が求められます。一方、保護者は学費やサポート体制、卒業後の進路などを重視する傾向があります。同じ冊子でも、読者によって知りたい情報は異なります。

◆何を目的とするのか
学校案内を作る前には、何を目的とするのかはっきりさせる必要があります。
・学校をもっと知ってもらいたい
・オープンキャンパスへの参加を増やしたい
・志願者や保護者の理解を深めたい
目的があいまいなまま制作を始めると、内容もデザインもぶれやすくなります。「きれいな冊子を作る」ことが目的ではありません。
◆一番伝えたい学校の魅力とは
学校案内では、情報を詰め込みすぎると、何が強みなのか伝わりにくくなります。今年は何を一番伝えたいのか?を考えます。
・面倒見の良さ
・実践的な学び
・資格取得支援
・進路サポートの手厚さ
もちろん伝えたいことは1つに収まらないと思います。しかし軸を1つに絞っておくと構成やコピーの方向性が統一されるので、他の学校と違いが明確になります。

②今のパンフレットを見直し、制作方針を決める
内容が整理できたら、今配布しているパンフレットの課題を整理します。見た目が古いという理由だけで、全面的に作り直す必要はありません。
・内容
情報が正しいかだけでなく、自校の特徴が伝わっているかを確認します。各学科から集めた情報をそのまま掲載すると、内容が増えすぎることがあります。情報量が多くても、伝えたい魅力が埋もれては効果的とはいえません。
・見せ方
写真や文章から学校の雰囲気が伝わるかを確認します。文字を詰め込みすぎていないか、知りたい情報を探しやすいかも重要な視点です。
内容を整理したら、次に「部分改訂で対応できるのか」「全面リニューアルが必要なのか」を検討します。
部分改訂と全面リニューアルは、次のような基準で判断できます。
部分改訂が向いている場合
・基本的な構成やデザインは現在も使いやすい
・変更点が数値や学科情報などに限られている
・課題のあるページが一部に絞られている
全面リニューアルが向いている場合
・教育方針や学科構成に大きな変更がある
・情報を追加し続け、全体の流れが分かりにくい
・写真や表現が現在の学校像と合っていない
・募集方針や伝えたい対象が変わっている
すべてを一度に変える予算や時間がない場合は、課題の大きいページから見直す方法もあります。自校の状況に合った範囲を選ぶことが、無理のない制作につながります。
③納品日から逆算して制作スケジュールを立てる
学校案内の制作スケジュールは、納品日から逆算して考えます。最初に確認したいのは、「いつ、どこで使い始めるのか?」です。オープンキャンパスや学校説明会などの開催日だけでなく、校内への搬入や発送準備に必要な期間も見込む必要があります。
一般的な制作工程は、次のように進みます。

制作期間は、ページ数や撮影規模、校内の確認体制によって変わります。決まった正解はありませんが、一例として、納品の6か月ほど前から準備を始める流れが考えられます。
・コンセプトと構成の決定
コンセプトとは全体を通したテーマを決定します。構成を検討するときは、台割を作る場合もあります。台割とは、パンフレットの各ページに何を掲載するかを整理した設計図です。

・取材、撮影、原稿収集
授業風景を撮影する場合は、授業日程や教室を確認します。生徒や教職員が写る場合は、掲載に必要な確認も求められます。撮影や確認、学科ごとの原稿収集はよく遅れやすいと言われています。構成段階から検討し、関係する部署や教職員へ早めに共有します。
・デザイン制作、修正確認
取材や撮影で集めた素材をもとにデザインを作成します。初回デザインの確認後、レイアウトや写真、文章表現などを確認しながら作業を進めていきます。
・校正と事実確認
校正では、誤字脱字だけでなく、登場する学生の名前・学部等、学科名やカリキュラム、資格取得実績、進路実績などの情報が正確であるかを確認することが重要です。複数の部署が関わるため、確認担当者と期限を事前に決めておくとスムーズです。また、原稿の提出日と最終承認日は分けて設定します。提出後には、内容を整理し、校内で確認する時間が必要です。予定どおりに進まない可能性も考え、予備日を設けておくと安心です。
制作の成功は、デザイン作業に入る前の準備で大きく左右されます。まずは現行パンフレットを見返し、目的と課題を整理することから始めてみましょう